令和6年分相続税申告 47都道府県の申告状況をチェック!
2026/06/05
国税庁が公表した令和6年分の相続税の申告状況によると、令和6年中(令和6年1月~12月)の被相続人数(死亡者数)は160万5378人で、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は16万6730人だった。前年分の15万5740人から1万990人増加し、課税割合も10.4%と前年分の9.9%から0.5ポイント上昇した。
都道府県別に課税割合を見ると、最も高かったのは東京都の20.0%で、前年分の18.9%から1.1ポイント上昇した。次いで愛知県16.2%、神奈川県15.5%、埼玉県11.9%、奈良県11.8%、京都府11.7%、静岡県11.4%、千葉県11.3%と続いており、全国47都道府県のうち課税割合が11%を超えたのは1都1府6県だった。
課税対象となった被相続人数についても東京都が2万8085人と最も多く、神奈川県1万5864人、愛知県1万3398人、大阪府1万1079人、埼玉県1万312人、千葉県8527人、兵庫県7435人と続いた。この1都1府5県では課税対象者が7000人を超えており、都市部を中心に相続税申告件数が増加していることが分かる。
相続税の基礎控除が引き下げられる前の平成26年分の課税対象者は5万6239人だったが、令和6年分は16万6730人と約3倍に増加した。申告件数の大幅な増加を受け、国税庁では実地調査だけでなく、文書や電話による連絡、来署依頼による面接などの「簡易な接触」を積極的に活用している。
令和6事務年度における簡易な接触件数は2万1969件で、前事務年度の1万8781件を上回った。このうち申告漏れや計算誤りなどの非違が判明した件数は5796件に上り、申告漏れ課税価格は1123億円、追徴税額は138億円となった。いずれも簡易な接触の事績を集計し始めた平成28事務年度以降で最高となっている。
一方、高齢化に伴って相続の発生件数が増加する中、相続人同士の争いも増加傾向にある。最高裁判所の令和6年度司法統計年報(家事事件編)によると、遺産分割事件の新受件数(審判・調停)は1万9550件となり、ここ数年は増加傾向が続いている。
相続財産をめぐる争いは資産家だけの問題と思われがちだが、遺産分割事件の内容を見ると、5000万円以下、さらには1000万円以下の遺産をめぐる争いも少なくない。遺産の多寡にかかわらず、相続人が複数いればトラブルが発生する可能性は十分にある。相続財産には不動産など容易に分割できないものも多いことから、相続を「争族」にしないためにも、生前から遺言書の作成や家族間での話し合いなど、事前対策を進めておくことが重要といえそうだ。
